板場便りvol.9〈 2013年6月1日 〉
雨上がりの空を見上げると広がる青空に夏を感じる季節となりました。
無花果や枝豆、長い魚を見ると、夏だなぁと季節の移り変わりの早さに驚いてしまいます。
今月の板場便りは…夏と言えば連想するこのお魚!
京都の祇園祭、大阪の天神祭、には欠かせないと言われている『鱧』。
おばなの夏にも欠かせないひと手間かけた鱧をご紹介致します。
鱧は梅雨の雨を飲んで美味しくなります。
産地はその時に一番良い物を仕入れる様にしています。
ハモには危険な鋭い歯があるのでやっかいです。
丁寧におろした鱧。
さて、いよいよ熟練の技が光る骨切り。
骨切り包丁の登場です。
皮一枚を残して包丁を入れていきます。
骨切りは、一寸(約3センチ)の内に24の切り込みを入れるとされています。
ジャリジャリとリズミカルに良い音が聞こえます。
一般的に鱧は「落とし」にします。
落としとは、骨切りをし一口大にカットしたハモを湯引きにする事ですが、
鱧本来の味が流れる感じがする為、おばなでは落としにはせず、
焼き霜でお出しする事が多いです。
涼しげな器と共に鱧の焼き霜をお出しします。梅肉との相性抜群です。
鱧は会席あかねコースからお造りの一品としてご用意してございます。
6月の会席は涼しげなあしらいと共に初夏を先取りしていただける仕上がりです。
是非、この時期おすすめの鱧をお召し上がりくださいませ。