板場便り vol.21〈 2014年8月7日 〉
最近のニュースで、地方の製作所さんが機械で作られる氷や雪の器が今の時期とても売れていると見ました。
おばなでも、毎年この時期には皆様に視覚でも涼を感じていただこうと氷を使ったおもてなしもしています。
氷の器づくり。機械で作れば簡単ですが当店では料理人達が全て手作業で削っています。
板場からは今も「シャリシャリ」と氷を削る涼しげな音が聞こえてきます。
朝に届いた氷の塊を大きなカンナで削っていきます。
失敗ができないので、慎重に…でも力強く。
器として使うので、立体感と曲線に気を遣いながら仕上げていきます。
店内は冷房で涼しい環境ですが、それでもお客様にお出しして返ってきた頃には殆ど溶けて戻ってきます。
昨年までは≪なでしこ会席≫からこちらの器を使っていたのですが、今年は≪あかね会席≫からとなりました。
仕上がった氷の器で頂く品々は天然の冷気で召し上がる直前までひんやり。新鮮です。
夏は暑いと言うイメージが多いですが、こうした涼しげな器を堪能できる季節でもあります。
夏こそ、伝統ある日本料理がおすすめです。