板場便り vol.18〈 2014年5月11日 〉
今月の板場便りは、5月の会席でお召し上がりいただける、
真蛸の柔らか煮が出来るまでをご紹介致します。
今朝も、大きな真蛸が入荷しました。
通常ですと、塩で洗うのですが、身がしまり固くなってしまうので
おばなではヌカでヌメリをとる為しっかりしごきながら洗います。
次に、目とクチバシ、頭の内臓などを取り除き
水気をしっかりと拭き取り、当たり棒で繊維が柔らかくなるようにしっかりと叩きます。
叩き終わったら再度よく拭いて一日冷蔵庫で寝かします。
寝かすことにより身が更に柔らかくなるそうです。
冷蔵庫で寝かせた蛸を霜降りにし…
氷水に落とします。
流水で更にヌメリをとりよく水気を拭きます。
美味しく仕上げるために叩かれて、拭かれて…となかなかのフルコースですね。
酒、濃口、砂糖、炭酸水、太白胡麻油、大根を合わせた地に入れ
コンベクションと言う機械に入れるのですが、
この時、きっちりと蓋をし更に重石をのせ圧力をかけます。
170℃の焼きで蒸気が出てくるので90分
スチームコンベクションで蒸し焼きにします。
蒸し焼きにした真蛸の味を調えれば完成です
仕上がったばかりのつやつやの柔らか煮。
こちらを今月の会席の一品としてお客様にお出しします。
一つの品を作りあげるのにこれだけの手間がかかるのをいつも見ていますが、
それを云わば一口で食べてしまう贅沢。
是非、皆様手間隙かけた当店の会席をご堪能くださいませ。